近視は日本人の国民病
日本人は近視の多い民族と言われています。
とくに近年近視の人の数は急激に増えています。
1950年の近視率は小学生で6%、高校生でも12%前後ですが、2012年度の調査では視力1.0未満の割合が小学生30.7%、中学生54.4%、高校生においては63.3%という史上最悪の結果となっています。
近視が増えている原因として、パソコンやスマホ等の普及も考えられますが、今回は別の原因を取り上げてみたいと思います。
注目したいUVB
キングス・カレッジ・ロンドンのKatie M. Williams氏らの研究報告によると、年少期に「屋外」で過ごす時間が長かった人の場合、近視を予防できる可能性があるということです。
Williams氏らの調査では、子供のころに屋外で過ごす時間が長く、浴びた紫外線B波(UVB)の量が多いと推定された層ほど近視人口が少ないという傾向が明らかになったのです。
とりわけ14~29歳の時期のUVB曝露量は、成人の近視リスク低減に最も大きく影響を及ぼしていたという結果が報告されています。
紫外線B波(UVB)によって産生されるビタミンD
UVBを身体に浴びると、ビタミンDを産生させる作用があることが知られています。
このビタミンDが不足すると近視になりやすいとする説もあります。
米オハイオ州立大学が韓国人を対象に大規な調査を行った結果、強度な近視の人ほど血中ビタミンDが不足しがちという傾向が明かされているのです。
こちらの研究も「屋外遊びが長い児童ほど近視になりにくい」「屋内で過ごす時間が長い児童程近視になりやすい」という見解を示しています。
紫外線は浴びすぎると皮膚にダメージがありますが、紫外線を浴びないことも健康リスクを増加させてしまうのです。
とくに子供のころはカルシウムの代謝にビタミンDが必要なこともあり、紫外線をある程度浴びることが必要です。
日光浴や屋外で遊ぶことを多くすることは子供の将来の健康に寄与します。
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